災害・通信障害時、格安SIMは大手キャリアと何が違う?——緊急速報メール・ローミング対応を比較
災害時や通信障害の発生時に格安SIMが大手キャリアとどう違うのか、緊急速報メールや事業者間ローミングの対応状況を解説します。
格安SIMは災害に弱いと言われる理由
格安SIM(MVNO)は、大手キャリアの通信網の一部を借りて通信サービスを提供する事業者です。このため「災害時に大手キャリアより不利になるのでは」という不安を持つ人もいますが、実際には利用している基地局や通信網は大手キャリアと同じものであるため、基地局レベルでの通信品質そのものに大きな差はありません。ただし、災害時に発生しやすい通信の混雑(輻輳)への対応や、一部のサービス面で違いが出ることがあります。
緊急速報メール(エリアメール)は使えるのか
気象庁の緊急地震速報や自治体の避難情報を知らせる緊急速報メールは、多くの格安SIMでも受信可能です。ただし、対応の可否は回線を借りている先のキャリア規格や、利用している端末によって左右されるため、契約前に対応状況を確認しておくことが大切です。近年は主要な格安SIM事業者のほとんどが緊急速報メールに対応していますが、古い端末や一部の格安な海外製端末では非対応の場合もあります。
大規模通信障害時の「事業者間ローミング」制度
2021年の大規模通信障害を機に、災害や設備故障で自社の通信網が使えなくなった際、契約者が他社の通信網を一時的に利用できる「事業者間ローミング」制度の導入が進められました。この制度は大手キャリア同士だけでなく、格安SIM利用者にも一定の条件下で適用される仕組みが整備されつつあります。ただし、格安SIMは借りている回線元のキャリアに障害が起きた場合の影響を受けやすく、対応状況は事業者によって差があるため、災害時の対応方針を公式サイトで確認しておくと安心です。
MVNOは自前の基地局を持たない——その影響
格安SIM事業者の多くは自前の基地局を持たず、大手キャリアから通信設備を借り受けています。このため、大規模災害で回線元のキャリアの通信網自体に障害が起きた場合は、格安SIM利用者も同様に影響を受けます。一方で、格安SIM事業者独自のトラブル(決済システムの不具合など)が発生しても、通話・データ通信自体は継続できることが多く、通信インフラそのものの脆弱性が大手キャリアより高いわけではありません。
災害への備えとしてできること
- モバイルバッテリーを常備する:停電時は基地局のバックアップ電源にも限りがあるため、端末の充電確保が最優先
- 家族用にサブ回線・デュアルSIMを検討する:異なる事業者の回線を2つ持つことで、片方が不通でも連絡手段を確保できる
- 公衆Wi-Fi・自治体の無料Wi-Fiの位置を把握しておく:災害時は多くの自治体が無料開放するため、事前に確認しておく
まとめ
格安SIMは大手キャリアと同じ通信網を利用しているため、災害時の通信品質そのものに大きな差はありませんが、緊急速報メールの対応状況や障害時のローミング対応は事業者によって差があります。契約前に公式サイトで災害対応方針を確認し、必要であればデュアルSIMなどの備えも検討しておくとよいでしょう。
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